リーマンショック後、数年に亘り経理の転職市場は低迷を続けています。2010年後半には回復の兆しが見え始ていましたが、2011年3月の大震災で、転職市場回復には急ブレーキがかかりました。大震災から1年近くが過ぎ、直後の急激な落ち込みからは既に回復しています。

しかしながら、経理の転職市場は、低い水準のまま長期的に推移することになりそうです。
経理求人数の推移政府は、景気は「東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、緩やかに持ち直している」と、2012年2月まで4カ月連続で、同じ基調判断を月例経済報告で示しています。厳しい景況感に苦慮している状況を窺えます。

大震災がゆえに暫くすれば復興特需による景気刺激が期待できます。ところが、政府の対応は後手になっており、復興庁が発足したのも2012年2月です。復興特需にも時間が、かかりそうです。

さらには欧州の債務問題への懸念など取り巻く諸環境から判断すると、企業の景況感が多少良くなったとしても経理の転職市場が直ぐに活況になるということはないでしょう。

このような状況に鑑み、就業中の方は、転職市場の先行きが不透明なことから極力、退職せずに転職活動を行うことを強くお勧めします

経理の転職市場回復基調に大震災で急ブレーキがかかったことは確かですが、経理求人が、なくなったということではありません。震災後も積極的に経理人材の募集を継続しいている企業もあります。もちろん、新規に募集を始める企業もあります。求人数の少さ以上に流動性の低さが経理の転職市場の低迷を招いていると言えるでしょう。 (流動性の低さ:求人もあり転職・就業希望者もいるのに両方とも残ってしまっている状況。転職・就業希望者の希望や条件と企業の要件や条件が合致しないことが主な原因。)

▼経理の転職市場の動向については、こちらでも解説しています。
www.bizbrain.co.jp/knowhow/step1b.html