年収アップの甘い誘いに安易に乗ってはいけない

年収は大幅アップするのか

転職時に劇的にアップすることは普通はないと考えて転職活動を行なうべきです。転職した後、将来的にアップしていくかに注目した方が良いでしょう。

一般的には、現状維持から多くても15%up程度のことが多いようです。年収が大幅にアップするオファーを得た場合には、その理由を慎重に分析してから入社を決断しましょう。年収アップの理由が自分が許容できないものであれば、入社を辞退した方が良いかもしれません。例えば、年収アップの理由が労働時間増加である場合、その企業はワークライフバランスを重視している方には向いていません。

転職で年収がアップするケースは、次の2つです。

  • 責任または労働時間が増える
  • 経験・能力を現職以上に活かせる

責任または労働時間数が増える場合

弊社では、「年収=労働時間×リスク(責任)×時間給」であると理解、整理しています。

スタッフから課長クラスで年収が高い場合は、責任よりも労働時間が長いことが多いと推察されます。部長-役員クラスになり責任が重くなると、リスク(責任)の係数が大きくなると考えられます。

また、全般的に年収が高い業界は、労働時間が多いことに加え、他業界の同じ役職よりも責任が重い、と考えられます。

この考えを参考に、今に比べて年収が上がる原因が、労働時間の増加なのか責任の増加なのかを自分なりに理解し、それを許容できるかを判断した上で、入社するか否かを決断すべきです。

求められる経験・能力が前職以上に適合する場合

労働時間数や責任が同じ場合でも年収が上がることはあります。
あなたの経験・能力が現勤務先で活かしきれていない場合、時間給が増加します。あなたの経験能力を十二分に発揮できる企業に転職すれば、年収も変わります。但し、現実的には上がる場合でもプラスα程度になることが多いのが実情です。

例えば、開示関係業務の経験と知識を有する方が、開示関係業務の全く不要な企業から重要な企業に転職した場合、全く使われていなかった能力をフルに使うことになるので、年収が劇的に上がるとも考えられます。

ところが、実際の転職では現在の活きている経験が重要視されます。
この例で言えば、今の勤務先で開示関係業務を行っていませんので、最新の活きた経験ではありません。知識は継続的な学習で維持していたとしても、経験が古くなっているのです。経験が古くなっている分、新しい勤務先での評価が下がるので、プラスα程度の年収となるのです。