会計事務職31万人が5年間で「消えた」の記事の通り経理職の減少は、経理業務のシステム化が大きな要因です。


先進的なシステムの登場は今後の経理職のキャリアに重要な影響を及ぼします。その一例として、「 FREEE (フリー)」という全自動のクラウド会計ソフトがリリースされたようなのでご紹介します。

このシステムは、中小零細企業と個人事業主の経理業務軽減を意図して作られたものです。銀行やクレジットカードのデータから自動で会計帳簿を作成できるので、経理・簿記の知識がなくても決算書まで作成できます。

すなわち、経理職を雇用する必要がないシステムということです。

費用も法人の場合で、月額1980円と廉価です。

もちろん本来、有益な帳簿付けや月次決算を行うためには様々な判断が伴いますので、このシステムを利用しても経理職を雇用した場合と全く同じ結果が得られるわけではありません。

しかし、企業経営者が経理業務を義務的作業、単なる記録作業ととらえている場合には、このシステムで十分に目的を果たすことができます。このようなシステムは今後も開発されていくでしょう。

経理システムが普及していなかった1990年前後までは帳簿をきっちりと付けられることが経理職の重要な能力の一つでした。システム普及から20年が経過し、ただ帳簿をつけるだけの経理職は、今後ますます不要になっていきます。経理職に求められるキャリアが変わってきています。

経理職の活躍の場は、経理業務を帳簿付けの単なる記録係ではなく、貴重な提言・提案を行なってくれる機能ととらえている企業に限られていきます。今、経理職には、独自の分析、提案、提言のできる力が求められています。