2013/03/11

日本でも2000年からの5年間で、事務用機器操作員5割、会計事務員1割、商品販売外交員1割と高い就業者減少比率が見られた。実数ベースで最大の減少となった会計事務員では、実に31万人もの職が“消えている”。

2000年から2005年で経理職31万人減少
(出所:東洋経済)

2000年からの5年間で会計事務員が31万人減少しているという東洋経済の記事。
http://toyokeizai.net/articles/-/13015?page=2

会計事務員が実数ベースでは職種の中で最も減少しています。このデータは2005年までと古いことから、経済状況を鑑みると現在では一層、減少していると容易に察せられます。

10年、20年、同じ会社に勤務している経理の方なら、自分の会社で経理部の人数が減少していることを実感しているでしょう。

経理職の減少は2000年から始まったわけではありません。1980年代後半から大手企業で会計システムが導入され始め、1990年頃から経理職の減少が進みました。当初はシステム価格が高く大企業しか導入できませんでしたが、徐々に価格の低下が進み、現在では中小零細企業まで会計システムの導入が可能な価格になりました。

システム導入が進むにつれ、経理職の人員が減少してきました。システムに置き換えられた業務は、当初は単なる集計でしたが、徐々に判断業務の部分にまで及んできています。たとえば、取引のパターンを登録しておくことで、仕訳や消費税の課税区分が自動で計上されるなど、人による判断業務が減少しています。効率化に熱心な企業は、判断業務を一層減少させ、経理人員の削減を図るべく、業務の単純化を進めています。

大きく考えると、経理職の業務は、

  • 記録
  • 分析
  • 提言

の3つに分けられます。このうちの記録と分析部分の業務は、今後もシステムに取って代わられる部分が増加していくことでしょう。

これからの経理職に中長期的に求められるキャリアは、提言できる力です。もちろん、記録と分析ができなくても良いという意味ではありません。システムで自動的に記録・分析できるといっても設計は人が行わなければなりません。記録と分析がしっかりとできて、更に提言できる力が一層求められるようになります。