2013年1月15日
東京商工リサーチの調査によれば、2012年の上場企業の希望・早期退職者募集会社数は、12月7日までに62社にのぼり、3年ぶりに前年を上回った。対象人数もリーマンショック時(2009年)に迫る勢いだそうです。
今年に入ってからも年明け早々に電通が早期退職募集を発表しています。
冒頭の調査で拾われている早期退職者の数字は基本的に上場企業や大企業のものです。言い換えれば、顕在化しているものだけです。現実には、この調査で拾われていない中小・零細企業で、相当数の早期退職者募集または実質的な解雇が行われていると推察されます。
大量の早期退職者の流出は経理の転職市場にも影響を及ぼすでしょう。ただし、早期退職者大量流出の初期は、悪い影響ではなく良い影響がある可能性があります。転職市場は、求人や求職者の数だけでなく、流動性が非常に重要です。求人や求職者の数が多くても流動性がなければ転職市場は悪くなります。求人がいくら多く転職市場に出されていても、なかなか採用を決めなかったり、既存の求人だけがずっと残り新規の求人が出て来なかったりすれば、転職市場は悪くなります。
早期退職者が大量に経理の転職市場にも流入すると、一時的に転職市場に流動性が生まれます。新しい人材が現れると企業の採用活動も活発化します。一時的に転職市場が良い状況になるのです。
だたし、あくまでも一過性のものです。早期退職者の新規流入がなくなり企業の採用活動が一通り終わってしまえば、たとえ転職希望者や求人が大量に残っていても転職市場の流動性が失われ、もとの状態に戻ってしまいます。
一時的に転職市場がよくなる早期退職者大量流出の初期段階のチャンスを逃さないよう転職活動を行いましょう。早期退職で退職される方は、長く働いたのだから暫くゆっくり休んでから転職活動をしようとは考えずに、転職市場がホットなうちに活動することをお勧めします。
photo credit: Alex E. Proimos via photopin cc