東京商工リサーチの調査によれば、2012年の上場企業の早期退職者募集は大企業の業績悪化により前年よりほぼ倍増の1万6,779人に増加したようだ。

募集人数が1万5,000人を超えたのは、リーマン・ショックの影響で、上場企業の業務見直しに拍車がかかった2009年(2万2,950人)以来、3年ぶりのことである。

景気の先行き感は重い雰囲気が続いています。悪い話を聞くことはあっても良い話を聞くことはありません。この調査の対象でない非上場企業を含めると、早期退職者募集や解雇の増加数はかなり多いでしょう。

ところで、早期退職や解雇が増えれば、転職市場が悪化するのでしょうか?

いいえ。実は活況になります。ただし短期的にです。一気に転職市場に新たな経理人材が流入するので、これまで採用が決まっていなかった経理求人の選考(書類選考・面接)活動が活発に行われるようになります。

一見、転職希望者が増えるのでこれまで活動していた経理の人には不利に見えますが、このタイミングが実はビッグチャンスなのです。

経理の転職市場で、もっとも重要な要素は流動性です。
求人倍率や求人数ではありません。

大量に離職者の発生するこの期間は転職市場の流動性が高まります。その波に乗れば、転職を決められる可能性も高まります。転職活動が停滞していた経理の方は一気にここで攻勢を掛けましよう。

今、転職活動をはじめる経理の方は、流動性の高い期間に決めるべく短期決戦覚悟で頑張りましょう。これまで頑張って働いてきたのだからゆっくり休暇を取ってから就職活動をしようなんて禁物です。このタイミングを逸すると採用が一段落、もとの活気ない転職市場に戻ります。

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