厚生労働省の労働経済動向調査によれば、1年以上、正社員が不足の状況となっており、中途採用を予定している事業所の割合は、前年を上回る水準が続いているという。

労働経済動向調査 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/43-1.html

最近のニュースで求人数増加と聞くわりには、転職市場改善の実感があまりないという状況の表れの一つといえるでしょう。ここ数年間、企業と転職希望者とのミスマッチによる求人と転職希望者の両建状態が続いています。企業は社員の不足感を感じているものの、逼迫まではしていないという状態です。

採用基準は労働力が逼迫してこないと下がって来ません。労働力は好景気がこなければ逼迫しません。現在のような不況下でも部分的な分野で活況となることはあります。その場合、その分野だけは採用基準が下がります。最近では例えば、(経理職ではありませんが)スマートフォン関連ソフトの開発関連職です。

企業が上を見すぎていることもありますが、一方で厳しい見方をすれば、転職希望者も上を見すぎていると言えるかもしれません。短中期的に日本全体が好況になる可能性は低いと現時点では考えられます。内定がもらえた企業があるのに、転職活動が長引いている人は信頼出来る相談者からアドバイスを得て、現時点で適切と判断できる企業に就職を決めた方が良いかもしれません。

2012/11/12