– 経理部長の部下採用マニュアル

最初から人材紹介や求人広告を使わない

経理人材を探す場合は、先ず知人、監査法人・会計事務所などの取引先に紹介してもらえる人がいないか当たってみましょう。もちろん、紹介を依頼する相手は信頼のおける人物であることが前提です。

たとえ会計事務所であっても信頼していないのであれば、紹介を依頼してはいけません。

また、仕事のできる信頼している部下に友人を紹介してもらうのも採用に失敗しない有効な手段の一つです。この場合も、決して信頼していない部下に紹介を依頼してはいけません。

採用の成否は、信頼できる人を採用できるか否かできまります。多少のスキル不足は重要ではありません。信頼の置ける人に信頼している経理の人材を紹介してもらうのがベストな採用です。

人材紹介や求人広告に頼む

知人、取引先や社員からの紹介が実らない場合は、人材紹介や求人広告を利用して人材を探します。

人材紹介会社は基本的に、入社後に費用の支払義務が発生する成功報酬制です。一方、求人広告は採否に関係なく、求人広告を掲載すれば費用の支払義務が発生します。

大手求人広告サイトの露出の高い掲載位置を利用すれば、多数の応募者を獲得することとが可能です。

但し、昔の郵送応募に比べ、インターネット上ではクリック一つで簡単に応募できるため、応募条件を満たしていない応募者が殆どを占めてしまうという実情があるようです。何とか書類選考の俎上に載せられるかどうかという人材が応募者数の1割あるかないかということもあるようです。

求人広告は、応募者数を多くして幅広く選考する、または書類選考に手間を掛けられる時間がある場合に適しているでしょう。

一方、人材紹介会社には、応募条件を満たす人材の紹介を期待できます。書類選考の手間を最低限に減らすことができます。

但し、そのメリットは経理人材を人選できる能力、すなわち経理業務に関する豊かな知見を有している紹介会社を利用している場合に限られます。

一般的な紹介会社を利用した場合には、求人広告を利用した場合と同じように書類選考の俎上に載せられる人材が紹介された人材の1割程度ということも珍しくないようです。

それでも、大手紹介会社を利用すれば応募者を多数集められますので、成功報酬制である分、求人広告よりも大手紹介会社の利用にはメリットがあるかもしれません。

もちろん、大手紹介会社であっても経理業務に関する知見を有している担当者が人選を行ってくれるのであれば、全く問題ありません。応募条件を満たす経理人材を多数集めることができます。(単に経理の専門チームがあるという意味ではありません。専門チームの有無ではなく、真に経理の知見を有している担当者がいるか否かが重要です。)

人材紹介会社を選ぶ

経理人材を人選できる能力、すなわち経理業務に関する豊かな知見を有している担当者がいて、その担当者が貴社の人選を行ってくれる大手紹介会社を利用するのがベストと言えるでしょう。

そうは言っても、そのような紹介会社を見つけるのは難しいかもしれませんし、そのような理想的な紹介会社はないかもしれません。その場合には、例えば次のように3つのカテゴリーに分けて、紹介会社を選び、利用すると良いでしょう。

  • 大手紹介会社の中から1社
  • 経理専門の紹介会社の中から1社※
  • その他専門(業界や地域など)の紹介会社の中から1社

※この場合の経理専門は、単に経理職の紹介を専門にしているという意味ではありません。真に経理の知見を有している専門の紹介会社を指しています。

ポイントは、同じタイプの紹介会社ばかりを利用しないということです。例えば、大手紹介会社3社に依頼したり、経理専門の紹介会社3社のみに依頼したりしないということです。大手から1社、経理専門から1社、業界専門から1社の計3社に依頼します。紹介会社を増やす場合も、3つのカテゴリーでバランスよく増やしていくのが理想です。

大手紹介会社にはいないタイプの紹介が専門の紹介会社からあったり、その逆もあったりするからです。経理人材の登録先は人によって好みがあり、例えば大手紹介会社にしか登録しない経理の人もいれば、経理専門の紹介会社にしか登録しない人もいます。

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