会社四季報 業界地図2016年版によると、1995年~2010年の15年間で会計事務従事者が100万人以上減少しています。

減少数1位の農耕作業者が15年間で126万人、それに次ぐ113万人の減少です。増加数1位は介護職員の98万人です。

会計事務従事者は想像以上に減少しています。

1990年前後から経理・会計業務の積極的なコンピュータ化が始まりました。90年代半ばにはウィンドウズOSが普及、それまで大手企業が主であった経理会計業務コンピュータ化の波が中小企業にも押し寄せました。ここ数年のクラウドコンピューティングで更に簡単かつ安価にコンピュータ化できるようになってきています。

単なる記録係としての経理職は一層不要になっていきます。

野球のスコアラーに例えます。アマチュア野球のスコアラーは記録することが目的になっていることが多い(もちろんそうではないスコアラーもいらっしゃいます)。プロ野球のスコアラーは対戦相手と自チームの現況を把握・分析し、適切なアドバイスを監督や選手へ行うことでチームに貢献します。三振の数やヒットの数を選手に伝えるだけでは貢献できません。どのような状況でどのような結果になったのか、次回の試合ではどのようにすればよいのかをアドバイスするのがプロのスコアラーです。

これからの経理は、財務諸表や経営指標の数字をどのようなビジネス概況・状況下でこのような数字となったのかをストーリーで説明できる経理です。単に、売上がいくらになった、昨年より5%下がったと言うだけでは価値はありません。さらにはどのようにすると数字がどう変わるのか、未来予測のストーリーまで語ることができれば素晴らしいでしょう。

会社四季報 業界地図 2016年版
by カエレバ