political_opinion_in_economic_field

自民党 日本経済再生本部が、2013年5月10日に発表した中間提言の中でIFRS(国際会計基準)に言及しました。ただし、強制適用ではなく、IFRSの“利用の拡大”という弱めの言い回しになっています。

●英文開示や国際会計基準の利用の拡大
世界標準の情報を海外発信することによって、海外投資家に日本市場の実力を知ってもらうが必要である。今まで情報不足により投資を控えていた海外投資家からの投資を呼び込むことにもつながる。そうした問題意識から、金融商品取引法における英文開示制度や国際会計基準の利用の拡大について、更なる推進を図る。

全体としてのIFRS導入とは別に、M&A時の “のれん” の償却について、IFRSに合わせるべきであると述べています。IFRS導入が進まないことがあっても、のれん償却方法だけは変えるべきであるとの意図でしょうか。

●「のれん」の一括償却の容認
わが国の会計処理方法によった場合、M&A によって生じた「のれん」は償却資産として計上され、その償却費は販売管理費として計上される。一方、IFRS(国際財務報告基準)や米国 SEC 基準に則った他国企業は「のれん」の償却が不要で、特別損失として減損処理を行なうことができる。この違いにより、日本企業は M&A の際に不利になっており、企業の新陳代謝を妨げている。そこで、国際基準に倣い「のれん」を非償却資産とするか、若しくは「のれん」の一括償却を認め、その際には「特別損失」として計上する、との選択肢を企業に与えることを許容するよう、再度 ASBJ(企業会計基準機構)において検討されることを要望する。