面接に臨む

経理経験や知識よりも重要なものがある

面接でNGになる本当の理由

「面接の結果、経験が足りませんでしたので採用は見送ります。」

このような選考結果を受けることがよくあります。

しかしながら、これは企業が体裁を保つためのオモテ向きの回答であることが多いようです。

面接でNGとなる理由は大別するとふたつです。
ひとつ目は、職務経歴書から読み取れる経験・知識と面接での話に齟齬があるケース。ふたつ目は、同じ職場の仲間としてピンとこなかったというケースです。

経理の中途採用では普通、経理部長や課長が書類選考を行います。それなりの経理経験を積んでいる方々なので、書類からおおよその経験と知識は推察できます。職務経歴書に経験・知識を誇大表現していなければ、面接で話を聞いてから経験が不足しているという結論にはなりません。

本音は、「自分の部下にしたいと思わなかった」、「相性が合いそうにない」、「覇気がない」等、もっと人間的なものであることが多いようです。

ソフトバンク・ヒューマンキャピタル株式会社のインターネット調査によれば、求人企業が面接時のポイントとして挙げたのは、1位:仕事に対する熱意が感じられる、2位:話し方がハキハキしている、です。マイナス要因には、時間に遅れる、容姿・身だしなみが悪い等が挙げられています。

ハンバーガーチェーン マクドナルドの育ての親であるレイ・クロック氏も自伝で次のように述べています。
「何を基準に人材を選んでいるのかとよく聞かれた。しかし選択基準を言葉で説明するのは非常に難しい。マニュアルで定められたものではなく、直感的に判断されるものだからである」

経験や知識ではない部分が面接では重要な要素を占めているのです。

ネガティブなことは言ってはいけない?

転職である以上、ネガティブな部分が全くない方が不自然です。
重要なのは面接でネガティブな話をせざるを得ない場合には、話題の最後はポジティブに締めくくることです。

例えば、「○○の経験がありますか?」、と聞かれ「ありません」では、それで話が終わってしまいます。そもそも書類選考を通っている時点で、基本的には何の経験があり何の経験がないかはおおよそ検討がついています。

経験がないと思っているのにわざわざ何で聞くのか?再確認でしょうか?もちろん再確認の意味もあるかもしれません。

しかしながら、選考は将来の可能性を判断するもの、人間性を判断するものです。

「直接の経験はありませんが、同僚がやっているのを見ていたので直ぐにキャッチアップできると思います」や「経験はありませんが、経理は継続性が原則です。過去の処理を見て、勉強しつつ業務をこなしていけば、直ぐにキャッチアップできると思います」といった前向きな発言をしておきたいものです。

これから新しいことをやりたくない人は別ですが、そうでなければ、前向きなことを言って損をすることはないでしょう。

前向きな人を採用したいと思うのが普通です。