志望動機・志望理由は、企業の特徴への関心と仕事内容の二本立てで組み立てます。
転職エージェント(人材紹介会社)から応募している場合は、「転職エージェントから求人の打診があり貴社のことを知りました。求人票やホームページを拝見し、・・・(関心を持ったこと)・・・ので応募しました」と転職エージェントを話の切り出しに使うと話を始めやすいでしょう。
もちろん、「転職エージェントに紹介されたから」という理由だけでは全く不十分です。ホームページなどを見て、具体的に自分が関心を持った部分を話します。ホームページから知った特徴を志望動機に含める場合には、必ず同業他社などのホームページも確認しておきます。
もしかしたら、あなたが目をつけたことは、ほとんどの会社が掲げている特徴かもしれません。その場合は、志望動機として非常に弱いものになってしまいますし、面接官に「だったらウチでなくてもいいのでは?」と切り返されてしまうかもしれません。
転職マニュアル本などには、応募先企業への強い熱意をぶつけなければダメだと書いてあることが多いかもしれません。しかしながら、正直なところ、そこまで熱い思いを語るのは難しいと感じているのが本音でしょう。それでも、熱い思いとまではいかなくとも、転職エージェントから紹介されたときに何か応募しようと思ったきっかけがあるはずです。それを思い出し、関連する事柄をホームページなどから探し出します。
それでも志望動機が見つからなければ、転職エージェントから紹介されたときに、なぜ断らなかったのかという理由を考え、それを志望動機に転換していきましょう。
志望動機のもう一つの要素は経理の仕事内容に関するものです。
もっとも大切な注意点は、「希望の仕事ができるから応募した」というだけの説明はNGということです。
例えば、「年次決算に携わることができるから」といった志望動機はNGです。これは、あなたの希望の単なる押し付けです。入“学”試験の志望動機です。
「会社は学校ではない。」
ソニー創業者 盛田昭夫氏の言葉です。
面接官が知りたいのは、あなたの希望や学びたいことではありません。あなたが期待(募集内容)通りの働きをしてくれるかです。
企業にとって面接は、ギャップの確認作業です。企業の期待とあなたの能力にギャップがないかを採用前に確認したいのです。志望動機の確認も当然、この目的のために聞くものです。
あなたは企業の期待とあなたの能力にギャップがないことを説明しなければなりません。
例えば、
「前職の××業界の△△の経理経験は○○○なので、貴社での○○○のような経理業務にも活かすことができると考え、志望しました」というように、
面接官が「この人は期待通りに活躍してくれそうだ」と思ってくれるような
「私を採用しても問題ないですよ」というメッセージを暗に
志望動機に入れ込まなければなりません。
業界や規模が異なるのであれば、今までのあなたの経理経験が、なぜ応募先企業の経理業務に活かすことが出来るのか、規模が違ってもなぜあなたが経験・能力を活かすことができるのかを説明します。そのためには、応募先企業の業態やビジネスモデルをもとに事前に仕訳や財務諸表の構成を想定しておかなければなりません。難しい作業かもしれません。
しかし、このギャップを埋める作業は、あなたがやらなければ、やる人がいません。面接官は、やってくれません。あなたもやらず面接官もやらなければ、「業界が異なるので採用を見送ります」と不採用の連絡がくるだけです。
あなたにとっての志望理由(動機)が、面接官にとっては「採用理由」の一つになるようにします。
あなたの応募する企業が超人気企業でない限り、会社に関する志望動機:2割、仕事内容に関すること:8割位で志望動機を説明すると良いでしょう。
超人気企業に応募する場合は、半々か若しくは会社に対する志望動機の比重を多くした方が良いでしょう。そのような企業の社員は一般に、人気企業であると自負していますし、自らにって自慢の会社です。それらに共感しない応募者を採用することはありません。
まとめ
・志望動機・志望理由は希望を言う場ではない
・志望動機・志望理由は企業への関心と仕事内容の2部構成