経理業務の本当の目的

今、やろうとしている仕事、営業に頼もうとしている仕事は会社の目的達成に役立つものですか?

ロイターや日経の記事(2013年3月)によれば、経営不振に喘いでいるシャープが、経理など本社管理部門の人員1,400人を700人に削減するようです。

4月1日付の組織変更で、本社部門に携わる人員を約700人に半減すると発表した。経営戦略、経理、法務、人事、グローバルマーケティング本部を解消・・・ -ロイター

4月1日付で本社部門の人員を現在の1400人から700人に半減すると発表した。経理本部などを解体してスリム化し、余剰人員を事業部門の営業担当などに配置転換する。 -日経

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記事では、余剰人員を営業部門へ異動させるとなっていますが、本当に余剰で異動後の業務が真の営業担当になるのか、それとも経理部門で行なっていた予算・実績管理などの業務を持って、籍だけを営業へ異動、実質的に個々人の業務内容はあまり変わらない営業管理的な業務を行うものなのかは分かりません。

今回の削減が記事の通り本当に余剰人員であったならば、経営が厳しくなるのも当然かもしれません。1割2割人員が多かったというレベルならまだしも、半分が余剰だったというのですから。

もちろん、実際に経理などの本社管理部門で働いている方々は忙しく業務をこなされていたと思います。それが第三者から見たら重要性のないものを行なっていたということなのでしょう。

ときとして、人は余計な仕事を作ります。組織が小さい頃は、仕事が人を呼び寄せます。必要な仕事をこなすために増員します。ところが、組織が大きくなると、人が仕事を呼び寄せます。必要ではなかった仕事を人がいるから行うようになる。人手が余っているから新たな仕事を増やす。申請書を増やす、手続きを増やす。部署の人数が部署トップの社内での力を表すようになる。力を堅持するため、人員を増やすことはあっても、一度確保した人員を減らすことはなくなる。

企業の成長に伴い、このような傾向が生じてきた時には、どこかでメスを入れなければ、管理部門は不要に肥大化官僚化し、本来の機能が低下していくのではないでしょうか。

社内書類の作成が良い製品を社会に送り出すための手続きの一つ、過程であったはずなのに、いつの間にか製品ではなく書類作成が目的になってしまう。例えば、本題の議論よりも、“てにをは”の修正や書類の体裁に時間を掛けてしまう。中身の議論はおざなりにされ、体裁が整っていれば書類が通ってしまう。

もちろん、正しい日本語で書類が作成されている方が良いに決まっています。しかし、正しい“てにをは”や書類の体裁は、(とりわけ社内文書では)利益を生まず人件費を増大させるだけということを意識しておかなければなりません。

“てにをは”に時間をかけるか否かは現在の会社の置かれている環境によります。社会に必要とされ十分な利益を得ているときには、更なる向上のために“てにをは”や書類の体裁に力を入れても良いでしょう。そのようなステージにないときは、“てにをは”の優先順位を下げなければなりません。

一経理職として、組織にメスを入れることは難しいかもしれません。しかし、自分の仕事にメスをいれることはできます。大企業病に陥っていないか意識して日常の経理業務を行いましょう。

社会に求められるものを提供し喜ばれ、会社が利益を上げることがあなたの経理業務の本来の目的です。

  • 書類を作ることや決算書を作ることが最終目的になっていませんか?
  • 自分が楽をするために営業部門に仕事を振っていませんか?
  • 「営業にあの書類を書き直させろ」とか「書類を提出させろ」とか、傲慢な口調で経理部内で話していませんか?

あなたの仕事のやり方が会社の目的達成に適うものであるのか意識して日常の経理業務を行いましょう。書類や決算書を作ることが最終目的ではありません。それは、会社としての目的達成のための過程の一つです。

今、やろうとしている仕事、営業に頼もうとしている仕事が会社の目的達成に役立つものであるのか考えましょう。決算という一つの過程をクリアするために有効であっても、会社の最終目的達成に有益でなければ、その仕事には修正が必要です。会社の発展に繋がるだけでなく、あなたのキャリア形成にも必ず役立ちます。


photo credit: John Loo via photopin cc



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チーフ コンサルタント

投稿者: チーフ コンサルタント

経理の転職相談を専門に年間約200人の経理の方と面談。以前は、総合商社本社の税務部門、経理部門、および海外法人にて業務に従事。本社 主計部・経理部での業務のほか、インフラプロジェクトの国際税務担当として、タイ、マレーシア、インド、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ウクライナ、エジプト、カザフスタン、ロシア等に赴く。その後、Big4国際会計事務所にて、ブランド価値評価、移転価格、業績評価コンサルティングに携わる。(米国公認会計士)